■山ノ井 史 退団のご挨拶■


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2009年5月よりメンバーとなり 9年間 studio salt の 全ての本公演に役者として出演しました 山ノ井史がこの度退団することとなりました。9年間、役者としてだけではなく 制作的な部分も含め studio salt を支えてくれたこと、感謝の気持ちでいっぱいです。今後は演劇活動の比率を小さくしていくとのことですが、仲間として変わらずに 応援していきます。今後とも 山ノ井史を見守っていただきますよう、お願いいたします。9年間、たくさんのご声援をいただきまして誠にありがとうございました。 以下に本人よりのご挨拶を掲載いたします。

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【退団のご挨拶】

ご無沙汰しています、山ノ井です。この度、9年在籍したスタジオソルトを退団する運びとなりましたのでご報告いたします。退団の挨拶を、と言われて書いてみていますが何から書いたらいいのかわかりません。まずは退団することにしました、という事実のみ記載しておきます。理由については、もしご興味があればそのまま読み進めてくださいませ。

ソルトに入団して9年経ちました。その間本当に色々なことがありましたし、好き勝手にやらせてもらったなあ、というのが自分なりの感覚です。制作的な立ち位置と俳優として創作の現場に関わることの楽しさを実感させてもらい、気付きや学びが本当に多く、刺激の多い日々でした。

ではなぜそのような中で退団することにしたのか、ですが、一言で言えば「自分の人生の優先順位が変わった」ということなんだと思います。演劇を続けることはとてもエネルギーもお金も時間もいることで、創作をしていく中でどうしても一年を通して大きなエネルギーを使わざるをえません。僕は数年前に自分で個人事業主として仕事を始め、それと並行して演劇活動ができるもの、と信じていましたし、そのつもりで活動してきました。

この数年はそのバランスを常に見ながらソルトに関わってきました。ですが、どうしてもバランスをとることが難しく、どちらも100%の力で臨む、ということができないジレンマがずっとありました。

演劇に携わって22年経ち、何度か辞めようと思いながらも、結局は辞めることはできないんだな、という結論が自分の中で出まして、だったら「仕事ではこうありたい」「演劇に関わっている時はこうありたい」という理想を実現していこうと思い活動することにしました。ですが今の自分ではそれをこなせるだけの力がまだ無いのだ、とようやく気付いた時に、覚悟を決めて「自分の先々のヴィジョンを実現する為に全てを変えていこう」と考えるようになりました。そんな時にちょうど自分の仕事でも様々なことに取り組めるチャンスが来て、ガラっとマーケットチェンジをしたりなどの可能性が出てきました。ここを絶対に逃したくないとも思いました。

ソルトを退団する、というのはあくまでその、全てを変える、ということの一端なんだと思います。一つの居場所に関わる、ということは僕にとって、人生の一端をその場所に注ぐ、ということで中途半端な関わり方をすることもできる自信がありません。自分の居心地の良い場所にいること、楽しいと思える今だけを求めて演劇活動を続けるときっと自分の将来のヴィジョンには届かないと思いました。

まずは自分が成りたい姿の為に、優先順位をちょこっと変えようかと。あ、ですので演劇を辞めるとか、俳優を辞めるとかは一切ありません。その比率を少し?大きく?変えるだけです。そして自分の中で納得いく形になってきた時にその比率もまた変化していくのだと思います。

今は、最近ソルトがお世話になっている神奈川県立青少年センターのホール運営課というところで、自分の事業と並行しながらお仕事をさせていただいており、浅生さんとも頻繁に顔を合わせます。自分の携わっている企画の関係で、多くのアーティストさんと出会い、その現場で演劇の可能性を数多く見ていると、どうやっても演劇に携わることは辞められそうにありません。というか今までよりもずっと、舞台芸術に関しての視野が広まっているように感じます。「もっと早くにこの状況をほしかったよ!」という内心があることは誰にも言えません。聞かなかったことにしてください。

僕は今の自分自身の仕事も凄く好きなんですね。人と向き合うこと、人と関わることの楽しさを教えてくれます。だからこそ、どうやっても両立したいと思いました。そんな感じでしょうか。語ればキリがありませんので、まずはつらつらと書かせていただきました。

でも塩日記を書き始めてから公演の度に、お名前を存じ上げない方々からも「塩日記いつも見ています」と言われることや、受付にいれば「今日は出ないんですか?」とお声がけいただけることがなんだかとても嬉しかったです。認知してもらえてるんだなって思えることがやっぱり嬉しかったです。要するにあれです、必要とされることに弱いんです。承認欲求強めの殿方なんです。

久々にこんなに長文で書きました。はっきり言って最後の力を振り絞った感凄いです。死ぬ間際の悲劇のヒロイン並みです。でももう少し。最後なのでもう少し書きます。

お礼言います。年下なのに、浅生さんや椎名さん、あずさんにタメ口聞いてしまいましたし、今もそれを止めることはできないし今更止めようとも思いませんがお陰で好き勝手やらせていただきました。ギャラリー公演やろうと言った時も芝居塾やろうと言った時も受け入れてくれたことにとても感謝しています。

浅生さんや椎名さんには時に激ギレしたり、激ギレされたりとそんな忌憚のない状況を作ってくれたことに感謝しています。楽しかったです。

一人ひとりに挨拶、とかは恥ずかしさで痙攣を起こしそうなので言いません。現にまぶたが痙攣しています、多分疲れです。

メンバー一人ひとりに楽しませてもらいました。本当に無邪気なおっさんばかりが集まっていて、どうやったらこんな集団になるのか不思議です。

初めて創作に関わった時にも、あまりに効率の悪い議論を稽古場でしていて、初めは「なんて意味のない議論なんだ。なんでここでそれをやるんだ。」という想いもありましたが、気付けば慣れていました。客演さんやスタッフさんには「効率悪いですが慣れます」と言えるほどに成長した自分を褒めてあげたいですが果たして成長なのかは甚だ疑問です。

もうソルト名物の椎名浅生のウザ喧嘩、あずさん激ギレ、野比さんの逆ギレ等も拝めないのかと思うと今更ながらにちょっと寂しさがこみ上げます。・・・・よく考えたらキレてばかりですね、カルシウムって大切です。でも何かを変えるっていうことはそういうことなんだと思います。

今後の活動に関してなのですが、減らしはするものの何かしら小さな活動はしていくのだと思います。とはいえ、上記に記した通り、比率は変えるので大幅に減ることになると思います。また、これも上記に記載した通り、演劇に携わる現場にいて何もやらないでいる自信がありません。

ひとまずはこんなところでしょうか。今後も変わらずスタジオソルトをご贔屓にしていただけたら嬉しいです。そうです、劇団なんです。創作することでしか結局は繋がれない人達なんです。だから今の自分はこれで良いんだと思います、と敢えて書きます。

本当に多くの方にお会いできました、本当に楽しい時間をもらえました。何より、素敵な作品に出会えました。

ソルトの創る作品が、多くの方の人生のほんの少しの豊かさにつながっていければ嬉しいなって思います。

今までありがとうございました。そして、これからもよろしくお願いいたします。

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