劇場配信公演のこと・年末のご挨拶

※ studio salt劇場配信公演Vol.1「2メートル」のアーカイブ無料視聴期間は終了しました。たくさんのご視聴をいただきまして誠にありがとうございました。

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ほとんど塩日記は書かないのですが、椎名です。写真は文化庁の補助金でスタジオ撮影した時のものです。

12月26日に配信した劇場配信公演について、少しお話ししておきたいと思います。まず、コロナの影響なのか、年内に公演ができる劇場を探すのがとても大変でした。土日メインで、と考えると探しても探してもない。今回上演した横浜市旭公会堂という場所は、これまで一度も利用したことがない施設で、予約は半年前の指定日に抽選で当選を引き当てないといけない、ということで、浅生が3日間毎日通って朝抽選し、やっと連続した3日間を押さえることができました。他の施設もメンバーで分担して抽選に向かいましたが、3日間の当選を引き当てることはできずで、また、土日連続で押さえることもできませんでした。

そして、予約の際の条件で「観客を入れる入れないにかかわらず、舞台上の役者同士の間隔を2メートル空ける」ことが求められ、まず観客を入れての公演を断念、劇場からのライブ配信公演に切り替えました。が、今度はその配信をお願いできる業者さんがみつからない。どの業者さんも「劇場に有線のネット環境がないとライブ配信は引き受けられない」とのことで、演劇界では定番で、たくさんの団体が利用している舞台関係の撮影・配信を行っているところ3社全部に断られてしまいました。

では、スイッチング含めてライブ配信同様に撮影した映像を翌日に必要部分を編集し配信したらどうか?と、提案しましたが、「前例がない」ということで、その、演劇界では定番で利用されている会社から断られてしまい、何が言いたいかというと、融通がきかないなぁということで。我々アーチストがコロナ禍で様々な変更を求められ、そのようにしないと公演を実施することができないという状況の中、演劇に特化した仕事をこれまでずっとやってきた会社なのに「これまでの姿勢」で仕事するのかぁ。。。と。

いろいろ腐っていた時に、「舞台公演の撮影・配信」にこだわらず探してみてはどうか、と思い立ち、今回お世話になった会社に辿り着きました。「ネット環境のない場所からのライブ配信」を請け負っている映像制作がメインの会社で、ネット環境がない商店街からの長時間のライブ配信映像を見て、お願いできるかも、と、電話をかけると快諾いただき、まぁそこからオーダーが2転3転してしまったので、あちらにしてみれば「なんじゃこりゃ」状態に陥ってしまったかもしれませんが、ほぼ舞台撮影の経験がないにもかかわらず、ライブ配信された映像は音割れもなく、キレイで、スイッチングもスムーズで、結果私としては大満足です。「舞台演劇撮影」の経験にこだわりすぎてなかなか決まりませんでしたが、自分自身がそのようなこだわりを持っていたことに気づきました。今回、ジャンルが違うオーケストラとのコラボ作品ですが、ジャンルが違う配信業者さんとのコラボ作品ともいえると思います。

「配信は演劇公演ではない」という意見があるのは理解しています。我々も、ずっとそうやって作品を上演し続けてきたんですから、それが一番良いなんてことは、言われなくてもわかっているんです。でもコロナ禍にあって、高齢の出演者も多数いる中で、配信公演の形を今回は選択した、ということです。演劇創作を諦めることよりも、「どうしたら演劇創作を継続することができるのか」を今後も状況をみながら柔軟に考えていきたいと思っています。

正直、今回断られた業者さんには今後もお願いすることはないと思います。

また、ライブ配信撮影をお願いするにあたり、「絵コンテ」なるものを書く必要があり、初めてそのようなものを台本に書き入れたのですが、これがなかなか大変な作業で、二度とやりたくない、というのが本音ですが配信された映像を観て、今は「良い経験」になったと思っています。その台本▼まあ、絵?の下手さは笑っていただければ。。

また、配信ならではの利点もあって、例えば観客が入っている舞台の場合には、舞台上の道具を出し入れする際に「暗転」(照明を消した状態)の中で移動させたりしないといけないんですが、配信だとその必要がない!これは稽古場でどうやってキーボードを移動させるかをみんなと動きを検討していた時に、ふと、「カメラを別のところへ向けておいて、堂々とやればいいんじゃね?」と思い、みんなに伝えたら「それはそうだねー」という事になり、「2メートルラップ」中、「ラストの幕開け前」の2回、カメラのみ動かして 堂々と舞台上でキーボードを移動しています。当たり前かもしれないんですが、これはすごく楽チンでした✨

今回、中止になった公演に出演予定だった未経験のシニアの方々が4名、参加を希望してくれていて、そこにプロの役者も混じっての座組で、稽古初期の役者のスキルのバラバラ感は激しく、「これやれるのか?」と不安でしたが、私も含め、他の出演者も、そのシニアの方達の稽古に取り組む真摯な姿勢やピュアな感情表現に胸打たれ、表現することの自由さや、楽しさなど忘れていたものを思い出せたのかなと思います。最終的にはコロナだから打ち上げはやらない、支度が済んだ人から速やかに帰るように、と終演後何度言っても会場から離れがたく残っていた姿があって、良い座組だったな、と思いました。

2021年度の予定は現状未定ですが、演劇を創作し、表現していくことは形を変えても継続していきたいと思っています。

最後に、2018年1月に「studio saltのような現代劇をやりたい」と自ら希望し入団した鷲見武が本日をもって退団いたしました。この件は夏から話があり、他メンバーも了解しています。退団の理由は「自分が主宰の古典を中心にやる劇団を作るので」というものです。劇団名は「Ghostnote theater」というのだそうです。今後の彼の活躍を劇団として見守っていきたいと思います。2年に満たない短い間でしたが、鷲見武を応援いただきましてありがとうございました。引き続き劇団「Ghostnote theater」主宰としての彼を応援いただけましたら幸いです。

2020年は大変お世話になりました。コロナ禍で2本のリモートシアターライブ配信公演、1本の劇場ライブ配信公演 のみの活動で、お客様を迎えての公演が1本もできませんでしたが、2021年はやれると信じて。

皆さまにとって2021年が素敵な1年となりますように✨良いお年を!

椎名泉水

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